「男系維持のため生殖医療が必要」自民党議員の言及が物議 愛子さま待望論が高まる中で



文/編集部

皇位継承議論は無期限先送りに

先月14日、政府は4月19日に予定され秋篠宮殿下が皇位継承順位1位の皇嗣となられたことを国内外に宣言する「立皇嗣の礼」を延期することを閣議決定した。これに伴い皇位継承議論の開始も先送りするという。

「立皇嗣の礼」は早くとも秋以降に行われることとなる見通しで、皇位継承議論の開始も大幅な遅れが見込まれる。

皇族の減少により、現在は皇統断絶の危機も囁かれるが、毎日新聞の報道によると、首相官邸幹部は「次の皇位継承者を認める重要な儀式の前に、皇位継承を巡る議論が起きるのはよくない。新型コロナの対応に追われる政府の状況を、国会も理解してもらえるはずだ」とし、儀式の後に議論を始める方針を変えていないという。



男系皇統を重視する安倍政権の奇策

政府は国会での議論の先送りを続ける一方で、この問題に関して有識者へ非公式のヒアリングを継続しているという。

4月15日、産経新聞は「皇位継承で『旧宮家復帰』聴取 政府が有識者ヒアリングで」と報じた。

また、女性・女系天皇に反対する一部の保守派は「旧宮家の皇籍復帰」を求めているが、週刊誌「女性自身」は、政府が、旧宮家男子の「皇籍復帰の方法」として「愛子さまと旧宮家の男子を結婚させる」という案を検討していることを報じた(「“愛子さまに旧宮家の婿を”安倍政権が推進する仰天プラン」「女性自身」2020年5月5日号)。

この「愛子さまと旧宮家の男子の結婚」という政府案に関しては、ネット上でも「今、何時代だと思ってるのかな?」「安倍内閣はそんな前時代的なことを本気でやるの?」「アナクロニズムであり、皇位継承の安定にもまったく繋がらない」といった批判の声が上がっている。

自民党が検討している男系皇統を護持するための案はこれだけではない、現在、安倍内閣で外務大臣を務める河野太郎氏は2016年に自身の公式HPにて、男系天皇を維持する方策の一つとして、人工授精など生殖医療の可能性にも言及している。

一、男系の維持をいかに図るか(中略)

ウ 人工授精など科学的な方法を用いる

男系皇族の精子を保存し、人工授精するなどの科学的な方法が考えられなくもない

(「皇室の危機を回避する」衆議院議員 河野太郎公式サイト2016.10.19)

河野太郎氏は、人工授精などの生殖医療を利用して男系を維持し続けることに関して批判的に論じてはいるものの、自民党や政府内でこのような案が検討されていること自体が問題だという指摘もある。

「政府や自民党内では、内親王と旧宮家の男子を結婚させるという案や、生殖医療を利用して男系皇統を維持しようという案が検討されているようですが、どちらの案も現在の人権意識から考えて採用はおろか検討すること自体に問題があるといえます。

内親王と旧宮家の男子を結婚させるという案は、女性皇族の婚姻の自由を明らかに侵害することとなりますし、まして、皇族に生殖医療を強要して男子を出産させて皇位継承者として育成するなど、明らかに人道に反した方法です。

現在、日本の皇室典範は国連から“女性差別的制度である”として是正勧告が出されていますが、仮に先に挙げたような案を用いて男系皇統を維持しようとした場合、さらに深刻な人権問題が持ち上がることは間違いありません」(皇室ジャーナリスト)



愛子さまこそ天皇に相応しいとの意見も

皇位継承問題に議論に関して、生殖医療の問題が話題となることは多くないが、認知神経科学者の中野信子氏は、文春オンラインのインタビューに対して、脳科学の知見から皇位継承議論における生殖医療の問題について論じている(「【”愛子天皇”は是か非か】「男系男子のY染色体を持ち出すなら生殖医療もOKなのですか?」中野信子氏インタビュー」週刊文春デジタル2019/12/07)。

そこで中野信子氏は、性差よりも個体差のほうがより大きいとして。「男性と女性のどちらが天皇になるか」より、「どんな方が天皇になられるか」のほうが、脳科学的に見ればより重大な問題であると述べている。

この中野信子氏のインタビュー記事の内容は、ネット上で多くの賛同を得ており、ニュースサイトのコメント欄では、「男系にこだわる必要はない」「愛子さまが次の天皇になれば良い」といった意見が数多く書き込まれている。

現在、政府は皇位継承問題に関して、男系皇統を維持しようという姿勢を崩していないが、女性・女系天皇を認める大多数の国民世論を蔑ろにし、人権や人道的見地から問題ある方法を採用してまで男系皇統を守ることに果たして合理性があるかの、今一度考えなおすべきではないだろうか。



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